2010年8月26日木曜日

第17回 8月19 日 ジャストインタイム方式と生産性向上


新しいメンバーが増えました。皆さんよろしくお願いします。

大野耐一氏による「トヨタ生産方式」のサブシステムである、ジャスト・イン・タイム「JIT」
その大切な要素のひとつである「かんばん」を「生産・納入指示」手段とする仕掛品在庫の削減システムについて議論しました。

仕掛品在庫を「0」にすることにより、工程内の問題を顕在化させ、継続的「カイゼン」に結び付けるという手法が、当時の時代や日本の社会の条件に合致した成功事例と言えるでしょう。

①初級者→在庫コスト削減
②中級者→生産問題の顕在化     
③上級者→改善意識の全社的徹底   

国民総中流意識が強い日本社会の「労働者」と「経営者」の区別があいまいな点が、上記を成功に導いたのかも知れません。理解を深めるために比較するなら、イギリスの「貴族」と「労働者階級」の意識の隔たりを例とするとわかりやすいかもしれません。

多能工と省人化(P166)については、多能工化が、企業と労働者との信頼関係(そのことが職を失う恐れにつながらないという確信)に基づいた成功であることを確認しました。

右肩上がりの経済成長に基づく年功序列と終身雇用が、これを支えたのかもしれません。

然らば右肩上がりではない社会ではどうすれば実現できるのかは、我々が日本で生きていく上での大きなテーマとなることは間違いありません。

我々にとって「海外生産」特に新興国での生産の場面では、大いに役に立つ事例であることにかわりはありません。

次回は、第6章P170-176 納期と工程管理に入ります。

1 件のコメント:

  1. トヨタ自動車が、資金繰りで倒産寸前だった時期があるのを知っていますか?

    トヨタは、1947年の国産初の自国設計の乗用車を販売します。トヨタペットSA型と呼ばれる2ドアの乗用車です。ここで作りすぎによる大失敗をやらかすことになります。

    市場が成熟していなかったこと・道路インフラが未熟だったこと・ドッチデフレなど要因はいろいろありますが、この失敗が、大野耐一氏の確立する「JIT」につながります。

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